末にバードウォッチングも兼ねてハイキングをすることが多いので、筆者が出かけたハワイのハイキングトレイルを、これから当サイトで紹介していこうと思っています。そこで、まず最初に申し上げておきたいのは、当サイトで紹介するトレイルは、読者の皆様にとって必ずしも安全なトレイルではないということです。

当サイトのハイキングに関するすべての記事は、あくまでもアマチュアハイカーである筆者のハイキング日記であって、読者の皆様を安全なハイキングへと導くトレイルガイドではありません。当サイトで紹介されたトレイルに実際に出かけられる際には、必ず本などで十分に調べたうえ、自己責任でお出かけください。

エコツアーのすすめ

たとえどんな簡単なハイキングコースでも、相手は自然です。そして、忘れてはならないのは、ハワイは外国であるということ。ビギナーや旅行者で、ハワイの地理や英語、現地のマナーなどにすこしでも不安があるかたは、まずはエコツアーに参加されることをお勧めします。エコツアーでは、ハワイに精通したプロのガイドによって、ハワイの自然や文化についての深い知識が得られるだけでなく、まずなによりも、安全に、自然に優しいハイキングを楽しむことができるからです。

山や森に入る心構え

私たち人間が山や森に入るということは、そこに暮らす野生の動植物たちの世界に「部外者」として訪れることだと私は考えています。山は本来、畏敬の気持ちをもって遠くから仰ぎ眺めるものであって、普段平地で暮らす者がやたらと足を踏み入れないというのが、古来から人間としての素直な態度であるとも思います。山や森は危険に満ち溢れた場所です。少なくとも、自然への畏敬の念を欠いた軽い気持ちや娯楽感覚では、山や森に近づくべきではありません。

しかし、矛盾しますが、実際に山や森に入ることで、自然はたくさんの有意義なことを教えてくれますし、実際に山や森に入らないとできないディープな体験もあります。山や森に入る場合は、想像もつかないようなリスクが誰の身にも起こりうることを認識し、覚悟し、そして自然への愛と畏敬と謙虚な気持ちを常に抱いて、ハイキングを楽しんでいただきたいと思います。

最新情報をチェック

トレイルのコンディションは日々変わります。当サイトで紹介したハイキングコースの情報が古くなっていることもあるでしょう。トレイルが通る土地の持ち主が、その土地への侵入を禁止することもあれば、事故や崖崩れなどによってトレイルそのものが閉鎖される場合もあります。また、新しい建物ができてトレイルのコースが変わっていることも考えられますし、風化や植物の繁茂などが原因で、標識がなくなっていたり隠れて見えなくなっていることもあるでしょう。

当サイトで紹介したトレイルに実際に出かけられる場合は、記事の内容をそのまま頼りにしないで、ご自身の常識に基づいた判断で行動してください。そして、ハイキングに出かける前には、必ずトレイルや天候の最新情報をチェックしてください。

Nā Ala Hele(ハワイ州のトレイル管理プログラム)
https://hawaiitrails.org

National Weather Service
http://www.weather.gov

知人や家族に計画を知らせて、2人以上で出かける

ハイキングに行くトレイルの名前、場所、出発時刻、帰りの予定時刻を、出発前に知人や家族に知らせておきましょう。また、2人以上で出かけることが、一般的な常識とされています。

駐車マナーを守る

トレイルによっては、駐車場がなく、住宅地に路上駐車をする必要があることも多くあります。路上駐車をするときは、必ず道路標識に従い、近隣住民の迷惑にならないようにしてください。住宅地で大きな声で騒いだりゴミを捨てたりしないようにしましょう。

貴重品は常に持ち歩く

治安のいい日本と違って、鍵をかけた車の中だからといって安心はできません。財布などの貴重品は車内に置かず、必ず荷物に入れて常に持ち歩くようにしましょう。

靴についた土などを落として森に入る

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ハワイの森には、在来の動植物が多く生息しています。これらの在来種は、外来種の侵略に脆いものが多く、在来植物がいつの間にか外来植物に駆逐されてしまうことも珍しくありません。他の土地で履いた靴には、土と一緒に外来植物の種子が付いている可能性があります。森に入る前に靴についた土をよく落とすことは、外来植物の移入と拡散を少しでも防ぐことになります。トレイルの入り口に、靴の汚れを落とすためのブラシが設置されている場所もあります。

標識に従う

カネアロレ・トレイルとマウナラハ・トレイルの交差点にある標識と掲示板(マキキ、ホノルル)

カネアロレ・トレイルとマウナラハ・トレイルの交差点にある標識と掲示板(マキキ、ホノルル)

トレイルに設置してある標識や掲示板の指示には必ず従いましょう。標識に従わなかった結果トラブルが発生しても、「英語だからわからなかった」では通用しません。

常にトレイルを歩く

ハワイの森は茂みが深い場合が多く、想像以上に簡単に道に迷ってしまいます。また、崖や大きな穴が、シダなどの茂みに覆われて隠れていることも珍しくありません。必ず整備されたトレイルのみを歩くようにしましょう。

川や湖沼の水を飲まない

ハワイの川や湖の水を飲むと、レプトスピラ症(Leptospirosis)に感染する恐れがあります。主に熱帯や亜熱帯で流行する感染症です。病原株は淡水や泥中で長い期間生きることができ、人の目、鼻、口、傷口などから入ってきます。レプトスピラ症の感染を防ぐためには、第一に川や湖沼の水を飲まないことですが、川沿いのハイキングでは長ズボンをはくこと、そしてたとえ水が澄んでいても川や滝で泳がないことで感染するリスクを下げることができると言われています。

自身のコンディションと天候を知り、無理をしない

トレイルの安全度や難易度は、ハイカー自身のコンディション、そして天候状態との相対関係にあります。例えば、地面が乾いている晴れの日の、完全装備で体調万全のAさんにとっては安全なトレイルであっても、雨で地面がぬかるんでいる日の、装備が不十分で風邪気味のBさんにとっては、危ないトレイルになりえます。自身の装備、体力、健康状態、年齢、経験の有無、そして天候をよくふまえて、決して無理をしないようにしましょう。

救助が必要な緊急事態の場合

もし道に迷ったり、極度な悪天候に見舞われたり、日没までに下山できなくなってしまったり、怪我をして動けなくなったり、体調が悪くなったりした場合には、すぐに911番に電話をし、レスキューを依頼します。トレイルの名前と位置と、何が起きたのかを説明します。「Japanese operator, please.」といえば日本語ができるオペレーターに繋げてもらえるという話も聞いたことがありますが、しかし、まずこのくらいの英語ができるメンバーが一人もいないのなら、そもそも自分たちだけでハワイの山に入るべきではないと思います。英語が話せる経験豊富なハイカーに同行してもらうか、エコツアーに参加されることをお勧めします。

持っていくもの

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以下は、オアフ島内のビギナー向けの軽いハイキング(往復2~4時間程度)に行くときの、私の装備の例です。半日以上の長いハイキングや、峻険な山を登る場合、亜高山帯や高山帯に入る場合などは、当然装備はまったく異なります。個人差もありますので、あくまで参考としてください。

多くのビギナー向けトレイルは、ひも付きの運動靴で大丈夫ですが、トレッキングブーツがあればなおよいでしょう。ビーチサンダルで山のトレイルを歩くローカルの人たちをよくみかけますが、お勧めできません。また、マーノアなどの雨が多い場所では、晴れていても地面が泥でぬかるんでいたり、水たまりの上を歩かなければいけないことも珍しくありません。その場合、靴は泥まみれになること必至なので、新品の靴や大切な靴は履かない方がいいかもしれません。

私は通常、上は半袖のTシャツに、下は動きやすい長ズボンをはきます。デニム生地のジーンズは不向きです。

飲料水

熱帯のハワイでは、冬でも日光が強く降り注ぎます。脱水症状にならないように注意が必要です。必要な水の量は個人差がありますが、どんなに簡単なハイキングでも最低1人1リットルの飲料水はあったほうがよいと一般的にはいわれています。

虫除けスプレー

マーノアやタンタラスなどの標高が低い森では、お腹を空かせた蚊の大群が待ち構えています。

ゴミ袋

ハワイのほとんどのトレイルにゴミ箱はありません。あるとしても入り口のみです。ハイキングで生じた全てのゴミ(弁当の食べ残し、食べ終えたリンゴの芯やオレンジの皮なども含む)は、きちんと持ち帰りましょう。

その他

タオル、携帯電話、帽子、雨具、傘、食料、日焼け止め、サングラス、腕時計、救急用品、ポケットティッシュ、呼び笛、地図、ハイキングガイドブック、着替えなど。

﨑津 鮠太郎

参考文献