球上で南北の回帰線の間にある熱帯地域のみ、太陽が天頂を通過する。冬至のときに太陽が真上にくる地点をつなげたのが南回帰線、夏至のときに太陽が真上にくる地点をつなげたのが北回帰線だ。

ハワイの主要8島は北回帰線よりも南に位置するので、太陽が真上にくる日が年に2回ある。日本やアメリカ合衆国本土では見られないない現象だ。この現象は、ハワイではラハイナ・ヌーン(Lahaina Noon)と呼ばれている。

春と夏のラハイナヌーン

ラハイナヌーン

2016年5月26日のラハイナヌーン時に撮影。太陽が真上にあるため、コーンの影がない。

太陽が真上にくる地点は、冬至を境に南回帰線から徐々に北上するわけだが、ハワイでは5月後半にその年最初のラハイナヌーンがくる。太陽が真上にくる地点はハワイを過ぎてさらに北上し、夏至の日(6月22日ごろ)にハワイよりやや北にある北回帰線に到達すると、今度は南下を始め、ハワイでは7月半ば頃に2度目のラハイナヌーンを迎えることになる。

5月の1回目のラハイナヌーンは「Spring Lahaina Noon(春のラハイナヌーン)」と呼ばれ、7月の2回目のラハイナヌーンは「Summer Lahaina Noon(夏のラハイナヌーン)」と呼ばれる。

ラハイナヌーンの日は、ハワイ州内でも緯度によって異なる。太陽が真上にくる地点が北上していく春のラハイナヌーンは、2017年のホノルルでは5月26日だが、例えばホノルルより南にあるヒロ(ハワイ島)ではそれより8日早い5月18日であり、ホノルルより北にあるリーフエ(カウアイ島)では、5月31日にラハイナヌーンを迎える。逆に太陽が真上にくる地点が南下していく夏のラハイナヌーンは、この3都市でいうとリーフエ(7月12日)、ホノルル(7月16日)、ヒロ(7月24日)の順でやってくることになる。

2018年春のラハイナヌーン

ヒロ(ハワイ島):5月15日(火)午後12時16分
カフルイ(マウイ島):5月21日(月)午後12時22分
ホノルル(オアフ島):5月23日(水)午後12時28分
リーフエ(カウアイ島):5月28日(月)午後12時35分

2018年夏のラハイナヌーン

リーフエ(カウアイ島):7月12日(木)午後12時42分
ホノルル(オアフ島):7月16日(月)午後12時37分
カフルイ(マウイ島):7月18日(水)午後12時32分
ヒロ(ハワイ島):7月24日(火)午後12時27分

灼熱の太陽が最高点に達する昼

ラハイナヌーンという名前は、1990年にホノルルのビショップ博物館によって行われたコンテストで選ばれた名前である。ハワイ語で「la」(正確には「lā」)は太陽のことで、「haina」(正確には「hainā」)には「過酷な」や「残酷な」という意味がある。「noon」は正午や最高点という意味の英語で、つまりラハイナヌーンとは「灼熱の太陽が最高点に達する昼」という意味である。

自然の観察に長けていたことで知られる古代ハワイ人が、年に2回起きるこの現象を知っていたのか調べてみたが、わからなかった。1990年にわざわざラハイナヌーンを新語として造ったということは、この現象をさすハワイ語はなかったかと思われる。

ラハイナ

現在は観光地として人気があるラハイナの町

ラハイナといえば、1820年から1845年までハワイの首都だった、マウイ島のラハイナ(Lahaina)という町を思い浮かべる人も多いだろう。この地名は古くは「Lāhainā(ラーハイナー)」と発音されていたそうで、直訳すると「残酷な太陽」となる。干ばつが地名の由来であると考えられている。

ラハイナヌーンの時間に、平らな地面で例えばペットボトルを立ててみると、太陽が真上にあるので当然影がない。5月末や7月半ばにハワイにいる方は、この年に2度の珍しい現象を体験できる。

﨑津 鮠太郎